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金閣寺 / 三島由紀夫

2016年12月14日 23:00



この本自体は十年前に購入していて、他の三島作品はいくつか読んでいたが、この本は何となく本棚に眠らせていた。
それが今になって、そろそろ金閣寺でも読んでみるかと手に取ってみた次第。その時の自分の年は30歳。
金閣寺を三島由紀夫は30歳で書きあげており、金閣寺を放火した犯人も当時30歳だった。
不思議な偶然もあり、思入れのある作品となった。ちなみに自分と三島は誕生日も一緒だ。

実際の犯人の年齢と異なり、この作品で金閣に放火する犯人は20代前半だ。
そんな彼の生い立ちと犯行までが描かれる。
生まれつきの、どもりのハンディキャップが主人公の中に独特の価値観を育てる。
作品を通して主人公の内面を執拗に描き、なぜ金閣寺の放火に至ったか明らかにしていく。
物語の結果は分かっているが、その過程が気になり作品に引き込まれる。

三島は実際の犯人の心境を分析したりなどしていないと思う。
あくまで自分が金閣を放火するとしたら、どのような理由で行うかを想像し、物語を作り上げたのだと思う。
その為、主人公は三島の価値観が投影され、破滅的な最後を迎える話にもかかわらず、
濃い登場人物達との交流も含めて、三島流の青春を描き切った作品だと思う。

金閣を放火した主人公は、自害したりせず、あくまで生きようと考える。
主人公は死ぬために金閣を放火したのではなく、生きるためを金閣に放火したのだ。
心情描写はかなり難解で、期間を空けて何度も読み返したい作品だ。もっと早くに読んでおけば良かった。

5.0点 / 5.0点満点


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