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借りぐらしのアリエッティ

2010年07月30日 23:30


借りぐらしのアリエッティ / 米林宏昌
★★★★★★★☆☆☆

※本レビューにはネタバレが若干含まれています。

小人のアリエッティは郊外にある屋敷の床下に両親と隠れ住んでいた。
ある日アリエッティは、屋敷へ療養にやって来た少年に姿を見られてしまう。

今夏公開のスタジオジブリ最新作。企画・脚本を宮崎駿、監督を米林宏昌という体制で作られている。
設立以来名作を連発してきたジブリだけれども、宮崎駿の集大成的な「もののけ姫」の後から徐々に様子がおかしくなっていった。
娯楽性へ舵を振り切った「千と千尋の神隠し」まではまだ良かったが、
その後の宮崎駿作品はどうにも説明不足で内容のまとまっていない、取っ付きにくいものが増えていった。
全盛期の宮崎駿が手掛けていたら「天空の城ラピュタ」級の作品になっていたかもしれない題材の「ゲド戦記」は、
息子の吾郎監督が超ローテンションでつまらない作品に仕上げてしまったし、
森田宏幸監督の「猫の恩返し」も何かのおまけ映画のような微妙な出来で、後継者育成も上手くいっていないようだった。

自分の中でジブリブランドは失墜しまくっていたが本作への世間の期待は大きかったようで、
前売り券は前作「崖の上のポニョ」の3倍売れたらしい。
結局みんな小奇麗な美少女が主人公のジブリ映画が見たかったのだろうか。自分もだけど。

そんな感じであまり期待せずに見たのだが、予想外に粗の少ない作品だった。
最近の宮崎作品は風呂敷を広げすぎて、結果まとめきれていない作品が多かったが、今回はそんなことはなかった。
というか風呂敷全然広げてないんだけれども。世界の危機を救うような壮大な展開をしがちなジブリ作品にあって今回のお話は、
「小人のアリエッティは人間に見つかったので引っ越した」と一言で言えてしまう程の小ぶりさ。
けれどもそのおかげで支離滅裂な内容にならなかったのは良かった。

滴すら決して小さくない小人から見た壮大な世界を、丁寧に描いた本作の演出はとっても美しいんだけれども、
宮崎駿作品に見られる圧倒されるような力は無くて少しもの足りない。

住む世界の違う小人のアリエッティと人間の翔は決して一緒にはなれず、それどころか一方が一方の存在を危うくしてさえしまう関係だ。
「もののけ姫」で言うとアリエッティがサンで、翔がアシタカにあたる訳だ。
「もののけ姫」では一緒になりたくてもなれない二人の悲しい想いがしっかりと描かれていたのだが、
本作ではその描写が希薄で、二人の間に恋愛感情があったことに気付かない人もいそうな程。
しかも両者が相手に好意を抱く理由が殆ど描かれていないので、
容姿だけでお互いが惹かれあったようにも見え、二人の気持ちを軽く感じてしまう。

また小人と人間の関係についてもストーリーは突っ込んだ展開をすること無くあっさり終わってしまう。
例えばスピアーの少年と翔がぶつかったりとかもっと熱い展開をして欲しかった。
宮崎監督特有の暑苦しさが無いので、逆にこれぐらいがあっさりしていて良いっていう人もいるのかもしれないけど。
そんな訳で不満もあるけれど綺麗にまとまっていて、「猫の恩返し」以降のジブリ作品では一番いい出来だとは思う。



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