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【其の五】その後は吾郎の五曲 / V.A.

2010年09月22日 23:00

 2009年6月17日発表作品

01. 都会陸上 feat. KREVA, Romancrew
02. NEXT LEVEL feat. THE FLEX UNITE, KREVA, SONOMI
03. Good Boy, Bad Boy feat. SEEDA, KREVA
04. 無くない!無くない! feat. KREVA, L-VOKAL, AMIDA
05. 忘れずにいたいもの Remix feat. 千晴, KREVA (Bonus Track)



KREVAがソロアルバムの間の課外授業の意味合いで自主レーベルから発表したコンピ集。
熊井吾郎製作のトラックにKREVAがラップを乗せ、全曲に日本語ラップの有力アーティストを迎えた意欲的な一枚だ。
吾郎のトラックはKREVAの影響が非常に濃くKREVAが作ってると言われても違和感が無いレベル。
「愛・自分博」の頃のKREVAの作風に近い。KREVAのフロウをコピー&ペーストしたラップを披露するM-5の千晴といい、
KREVA周辺のアーティストは彼の影響を受け過ぎだ。やり手の客演ラッパーに混じってソロアルバムより自由なテーマとフロウで
生き生きとラップするKREVAが印象的で、このコンピを作った理由はそこに尽きるだろう。

テーマ1発でサクッと作った割にそこそこの水準の楽曲(M-4のAMIDAのラッパーあるあるは面白い)が続く中、頭一つ抜き出ていたのがM-3。
吾郎のキャッチーかつ中毒性の高いビートに乗せ、オートチューンにまぶされたKREVAの男前なサビに導かれ、
SEEDAが短いながらも生き様を刻んだラップを披露する。ボールを置きに行ったような手堅い作りだが良い。
KREVA・SEEDAとも自身から湧き出る衝動のみに任せてラップするのでは無く、他者から求められる需要を敏感に察知し
高いスキルでそれを具現化して来たという共通点がある。だからこそ実現したであろう抜群の相性が生み出すハーモニーがただただ素晴らしい。
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OASYS / KREVA

2010年09月15日 23:30

 2010年9月15日発表作品

01. 道なき道
02. かも
03. たられば feat. SONOMI
04. 最終回
05. エレクトロ・アース・トラックス
06. Oasys
07. Changing Same
08. Reprise ~道なき道~



前作「心臓」はラップから少し離れてしまった印象で、極端なメロウネスさが自分は受け入れがたがった。
それに続く最新ミニアルバムである本作は、前作で突き詰められた音楽的レベルの高さはそのままに、
本来のKREVAの持ち味であるリリカルなラップを加えた孤高のクオリティとオリジナルティに溢れた作品になっている。

前作は前半と後半でメロウパートとラッピンパートに分けられていたが(ラッピンパートがメロウパートに侵食され気味ではあったけど)、
本作はそれらの要素を綺麗に混ぜている。ひたすら恋愛のことばっかり歌っていた最近の作品に比べて、
本作は恋愛のことを歌っているようにもそうではないようにも解釈できるバランスが素晴らしい。
その辺の本当の所はインタビューとかを読んだら分かるのかもしれないが、それをあえてしないで歌詞を曲解するのが楽しい。

M-1,M-8で自ら言っているように道なき道を突き進むKREVAは超高品質なHIPHOPトラックに、
聴き取りやすさと耳当たりの良さを両立したオリジナルなメロウなフロウを乗せ極上のグルーヴを生み出す。
M-4では直接的な表現を使わずネットでの批判に反論してみせる。
「現実味と現実はいちご味といちごくらい違う」「画面見つめて見逃す場面」等さらっと上手いことを言う。
自分はこの曲を「ネットで書き込みなんかしてないで、ライブを見に来てくれよ」って意味だと解釈してるのだけど、
ネットの書き込みだってKREVAが丹精込めて作った作品をきちんと聴いた上で意見を言ってるのならば、何も問題は無いと思う。
表現は柔らかいけれど「言いたいことがあるなら直接に俺に言えよ」って凄んでるハードコアラッパーと言ってる事は同じだ。
KREVAの気持ちも分かるけれど、面と向かって言えないことがあるのは普通の事だ。

サビでの歌フロウ、独自性と大衆性を兼ね備えたラッピン、リリカルな歌詞、突き詰めたトラックと、
ミニアルバムながらKREVAがソロアルバム4枚を製作していくことで得ていったノウハウが本作には詰まっている。
よろしくお願いします」のバランス感覚に「心臓」のクオリティが加わった本作は現時点でのKREVAの最高傑作だ。
これがフルアルバムサイズになったらもの凄いことになりそう。
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心臓 / KREVA

2009年09月11日 03:00



01. K.I.S.S.
02. 瞬間speechless
03. これがFall In Love
04. Tears In My Eyes
05. リズム
06. シンクロ feat. 古内東子
07. Tonight
08. 心臓
09. ACE
10. 成功
11. 中盤戦 feat. Mummy-D
12. I Wanna Know You
13. キャラメルポップコーン feat. 将絢 from Romancrew
14. 生まれてきてありがとう feat. さかいゆう
15. この先どうなる?



2ndソロアルバムから顕著になって来た日本語ラップは当然として
J-POP全体を見渡してもここまで徹しているのは無いんじゃないかと思える、クレバのナルスティックでストレートな君が好きだ的歌詞。
それらにはしっかりしたビートと固い韻が装備されており日本語ラップ馬鹿の自分も無理なく聴くことができた(特に前作は素晴らしい!)

とはいえ流石にお前が好きだ、大切だ、言い過ぎだろ、他の事も言えよと思っていた。
そんなところで発表された本作のテーマは心臓。
アルバムの真ん中の曲を心臓とし、前半を静脈に例えメロウな曲を配置し、後半を動脈に例えアッパーな曲を配置している。
これまでの婦女子向けの路線を保持しつつ、野郎共に向けた曲も同時に用意するという非常にマーケティングに長けた方法だ。

と聴く前は思っていたのだが、実際は想像していたものと違っていた。
彼のメロウ路線はメロウが溶けて溶けてトロトロになって、POPどころかイージーミュージックの領域に達していた。
歌に限りなく近い歌フロウで終始するM-2やら、オートチューンで加工された声が最早誰のものか分からんM-7とか物凄いとろけ加減。
特にM-7は最早ラップの必要性を感じず、いっそインストにしてしまえば良いのに。

折り返しのM-8を経ての後半戦はハードラッピンが聴けるのかと思いきやそうでもなかった。
というより前作のPOP路線(本作の前半をイージーミュージック路線とすると)を踏襲した内容でそんなにハードな訳では無い。
前作のストロングスタイル路線のM-9なんかは大好物だし本作で一番好き。
上ネタは綺麗めなのにビートが何気に変則な(極悪そうなイントロから爽やかな曲に入るギャップが凄い)M-10辺りも良い。
Mummy-Dと高速フロウ合戦を繰り広げるM-11はファンキーグラマラスに及ばず。
この後アルバムはまたメロウ路線に戻る。てかハードラッピン路線がM-9,M-11しか無い。

前情報ではメロウ・アッパー両対応とされていたが、結局アルバムの大半はメロウなもので占められていた。
特に前半の緩さは半端無く、こちらの路線を今後貫かれたら個人的には辛い。
本作はしっかり作り込まれておりクオリティ的には高いと思うが自分は苦手だ。
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よろしくお願いします / KREVA

2007年09月23日 02:39





01. ストロングスタイル
02. THE SHOW
03. YOU DON'T STOP!!
04. 揺さぶるブルー
05. ビコーズ
06. You are my sunshine feat. 千晴
07. 今日だけでいい feat. SONOMI & ALI-KICK
08. ため息はCO2
09. くればいいのに feat. 草野マサムネ from SPITZ (ALBUM VERSION)
10. 東西南北脳内回想録
11. SWEET SWEET メモリーズ feat. SONOMI
12. アグレッシ部
13. 終わりたくないオーワラナイ
14. THE SHOW(熊井吾郎Remix)
15. Have a nice day!
16. アグレッシ部(Remix) feat. KOHEI JAPAN & SHINGO☆西成



ヒップホップを世間に広げるという以前はジブラが中心的に担っていた役割を、今や彼に代わって担っていると言っても過言では無い
クレバの新作のタイトルは「よろしくお願いします」。
「アグレッシ部」「くればいいのに」に続きアレなタイトルの本作だが、
多作な彼が珍しく時間をかけただけありかなり完成度の高い一枚に仕上がっている。

冒頭の「ストロングスタイル」では本作で最も挑戦的なトラックの上で、
近年の彼にしては珍しいセルフ・ボースティングを示したリリックをストレートに聴かせる。
ライムの塊の定番フックが心地よい「THE SHOW」では
「狙い外さねぇ つーか狙わねぇ リアルな表現に目が覚め 人は人 俺は俺 やいのやいの言う前によこしなbeat beat」と、
巷に溢れる自身に対するディスへの返答を聴かせてくれる。
この曲では自身の音楽活動への一途な想いを歌っており、この曲全体がディスへの回答とも捉えられると思う。

DJタツタ・プロデュースの「東西南北脳内回想録」ではライブ等の直接的な表現を使わず全国巡行の様子を描写したリリックが秀逸。
オリジナルの「アグレッシ部」の歌詞は「今日は俺が俺の味方 広い世界 ただ一人になろうが」と、
よくよく考えたらあんまりな内容なのだが続編ともいえるリミックス曲で上手く着地したので安心した。
客演は歌詞の展開や韻の踏み方をクレバに上手く合わせいい仕事をしている。
特にここでもゲトーの現状を叫ぶシンゴ☆西成のストイックさに感動した。

ライブを意識したという本作の構成はアウトロからアンコールへの流れも含め素晴らしい。
特に驚いたのが「Have a nice day!」の位置で、人気曲をアンコールまで取っておく感じが実際のライブっぽい。
クレバの耳辺りの良さを追求したラップは今作において更なる飛躍を遂げている。
ライムの数は物凄く、ひたすらBPM遅めのメロウ曲が続くアルバムを客演も大して呼ばず
リスナーの耳を飽きさせないのは多くのフロウの引き出しがある証拠だ。
リリックも素晴らしくその辺の粋がってるだけのラッパーの歌詞より遥かに上質だ。

ただ前作に引き続き、恋愛がテーマのメロウな曲がアルバムの大半を占め、
次回作も同じ感じだと流石にマーケティング的に考えても不味いと思うのだが。
次はぜひ「ストロングスタイル」「Have a nice day!」辺りの作風を突き詰めた作品が聴きたい。

愛・自分博 / KREVA

2007年01月26日 22:20





01. H.A.P.PY
02. 国民的行事
03. It`s for you
04. いいと思う
05. Island life feat. SONOMI
06. イッサイガッサイ
07. 涙止まれよ feat. SONOMI
08. 江戸川ロックオン feat. CUEZERO, WADA
09. 暗闇のナビゲイラ
10. トリートメント feat. DABO, CUEZERO
11. スタート
12. My Life



幼馴染のキューゼロとのグループ・バイファー・ザ・ドーペストによる現場の活動は長く、
B-BOY PARKのMCバトルで1999年から2001年にかけて三連覇を達成するなど、アンダーグラウンドで確実なプロップスを得ていたクレバ
しかしメジャーデビュー以降のキック・ザ・カン・クルーの音楽性はポップスに寄り添ったものになり、
商業的な成功を収めはしたもののヘッズからの評価は賛否両論であった。

ソロ・アルバムとしては二枚目となる本作も一般層を強く意識した作品になっているものの、
キック・ザ・カン・クルーのメジャー三枚目の「GOOD MUSIC」以降顕著になっていた
音数を絞ったトラックで聴かせるスタイルが更に研ぎ澄まされ、かなり完成度の高い一枚になっていると思う。

非常に統一感のあるアルバムの中で唯一浮きまくっているのが元韻踏合組合のエヴィス・ビーツが手掛けた「国民的行事」。
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の主旋律をサンプリングするという、
エビスお得意のギリギリのネタ使いが炸裂したこの曲は意外に悪くない出来。
この曲の狂いっぷりはある意味ヒップホップ的であり、この曲が有線等を通して全国的に流れた事実そのものが痛快であった。
ダボとキューゼロを迎えた「トリートメント」もスケールの大きな曲となっており、
ダボとクレバの競演という事実も然ることながら曲その物の出来も素晴らしい。

本作でのクレバのラップは聴こえの良さを最優先しており、フロウやライミングの面白みには欠けている。
またリリックもシンプルなものが多く、捻った言い回しを求める向きには少々物足りないかも知れない。
とは言えひたすらメロウな楽曲を集めた本作ほどミニマルな作品は、日本語ラップは元より邦楽全体を見渡しても例が無いと思う。
そういった意味でも本作のオリジナルティは非常に高いと言える。



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