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王道楽土 改 / MICROPHONE PAGER

2010年01月09日 23:30



01. 改正開始08 (DJ YAS remix)
02. 王道楽土 (Spellbound Remix)
03. 号外 (Total Eclipse Remix)
04. たまんねえ (Civil War Remix)
05. HEY!FELLOWS (Phoenix REMIX)
06. CYPHER (from 92'under ground Mix)
07. HARDCORE (OBRIGARRD REMIX)
08. 必勝 (Silent Killer Remix)
09. 隙 (CC$ -Hiatus- Remix)
10. MP5000FT (DAY-SUI REMIX)
11. DON&GUN (Golden Soul version)
12. 灯かり消すな (still slow burning remix)
13. 最も危険な遊戯 a.k.a.-Piranha (Cetpsis Remix)



リミックスという手法はオリジナルの曲を如何とでも弄くれ、180度でも270度でも違う曲に変化させることが出来るので大好きだ。
中でもアルバムのトラックを全部差し替えるリミックスアルバムは大好物。
とはいえ日本語ラップ的には昔はTWIGYの「リミキシーズ呼吸法」やRHYMESTERの「リスペクト改」、
ラッパ我リヤの「リミックス伝説」、キングギドラの「最新兵器」等それなりに出ていたが、最近はあまり見られなかった。
そんな中ペイジャーのリニオンアルバム「王道楽土」のリミックスアルバムの本作の発表は結構嬉しい出来事だった。

本作はオリジナル盤の16曲のうちイントロとアウトロとなぜかMESSAGEを除いた13曲が、
DJ YASやBentheAce、DJ WATARAI、刃頭やI-DeA、DJ AMEKENといったプロデューサー陣にリミックスされている。
うち4曲がMUROとTWIGY自身が手掛けている(どうせなら全部外部に振ればよかったのに)。
個人的オリジナル盤ワースト曲M-4はMUROがリミックスしているが、全然改善されず手の付けられない駄曲ぶりは健在。
他のプロデューサーにリミックスを依頼するのが気が引けて自分でやったんじゃないだろうか(勘繰り過ぎ)。

全編MUROが手掛けたオリジナル盤のトラックはゴリゴリしたものが多かったが、本作は耳当たりの良いトラックが多い(特に後半)。
オリジナルをぶっちぎりで超えたのは2曲。躁な爽やかトラックで原曲の無味乾燥な高速フロウ合戦に色を付けたM-9と、
SEEDAらの熱量高いマイクリレーをひたすら煽るノイジーな原曲とは対極の
スムースでブルースなトラックがスマートにラップを援護するM-10はホントに素晴らしい。
M-10なんかはラップはオリジナルと全く変わらないはずなのに全然違って聴こえるから不思議。つまりはラップとトラックのバランスが絶妙だ。
一曲はNYで活動する日本人DJ SUI、もう一曲はそのSUIとSOULJAHのユニットCUT CREATOR$が手掛けている。
全然知らない人達だったけど名前を覚えておこうと思う。

トータルで言うとやっぱりオリジナル盤の方が上だが、ロウに料理され90年代のペイジャーの作風を蘇らせた
DJ YASによるM-1も素敵だし、聴き所の多い作品だ。
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王道楽土 / MICROPHONE PAGER

2010年01月05日 23:50



01. HEADLINE NEWS (INTRO)
02. 改正開始08 feat. B.D. the BROBUS, D.O
03. 王道楽土
04. 号外 feat. Q, 漢, 鎮座 DOPENESS
05. たまんねえ feat. THE LEGEND$, RINO
06. HEY! FELLOWS feat. (G.K.MARYAN/YOU THE ROCK★/RINO)
07. MESSAGE feat. Mummy-D、E.G.G.MAN, BOY-KEN, ZEEBRA, UZI
08. CYPHER feat. SYZZZY SYZZZA
09. HARDCORE feat. HIDADDY, 剣桃太郎, SHINGO★西成
10. 必勝 feat. MIKRIS, JBM, MARS MANIE
11. 隙 feat. SUIKEN, RYUZO, DABO
12. MP5000FT feat. ANARCHY, SEEDA
13. DON&GUN feat. Part Pakaluck
14. 灯かり消すな feat. COMA-CHI, BES
15. 最も危険な遊戯 a.k.a. Piranha feat. D.L, GOCCI, KASHI DA HANDSOME
16. 王道楽土アウトロ



リスナーからの信頼も然ることながら、同業者からのリスペクトが半端無いMUROTWIGYが、
MICROPHONE PAGERとして前作から14年振りにドロップしたオリジナルアルバム。

ペイジャー名義とは言え、オリジナルメンバー5人のうち今回の参加者は2人のみ。
2人が主力メンバーだったにしても、これでペイジャー名義なのは正直どうなのかと思ったが、
彼らとしてはペイジャーの名前を使う事によってシーン全体を巻き込むような作品を作りたかったようだ。

言いたい事ができたらギドラが復活するように、
シーンに喝を入れるためにペイジャーが復活したということらしい。
実際に現在のシーンが腑抜けているのかどうかはさておき、どのように喝を入れるのかは単純明快だ。
本物のラップとビートを聴かせ、本物のHIPHOPが何なのか、リスナーに、同業者に、見せ付ける訳だ。
その目論見は成功したのだろうか。

どうにも説明臭いイントロを経て放たれるのが2008年版改正開始。
大役を任された客演はD.OとB.D. the BROBUSの2人。ここでSEEDAとかANARCHY辺りを起用しないのは、
雷家族のD.Oとペイジャーの息子のニトロの息子のB.D.の2人がよりペイジャー直系のラッパーだからだろうか。

逮捕直前の歌詞(無事迎えられるか明日♪)が悲しいD.Oも悪くないが、
B.D.ってこんなにカッコ良かったっけ?と思わず思ってしまった(失礼!)100点満点のラップをかますB.Dがやばすぎ。
冒頭にして今回のMVPは彼に決定。最初フックがダサいと思ったが聴きこむと気になら無くなるから不思議。
ネタ感たっぷりの真っ黒のビートもたまらんし改正開始の名に恥じない曲だ。

今回唯一の客演無しのタイトル曲では、熟成された2人のラップが堪能出来る。
派手さの無い曲でもしっかり聴かせるのは流石のスキル。
んで本作個人的ベストがQ、漢、鎮座 DOPENESSらオリジネーター3人を迎えたM-4。
言葉通り「冒頭から鳥肌」もんのMUROに、オフビート番長の客演陣のラップ、切れ味鋭いTWIGYのフックに、極上のビートと完璧な曲。

と、ここまでは流石ペイジャー!半端ねぇペイジャー!と思ったのだが、次のM-5からクオリティが急落する。
誰が喜ぶんだという変なトラックとTHE LEGEND$(笑)が今までの流れをぶち壊す。
565はいつもの捻りも糞も無いダラダラしたラップを垂れ流し、
DENもそれと全く同じレベルのつまんないラップをかます(DENってこんなにラップ下手だったっけ?)。
リノが少しフォローしてくれたが間違い無く今作ワースト曲。

M-6のペイジャー+という(実質雷+MUROだが)10年前だったら鳥肌もんの面子も今だとワクワクしないから不思議。
そんな訳で全然期待してなかったのだが、活きの良いマイクリレーが楽しめた。
特にマーヤンは予想外に頑張ってた(DOPEでFUNKでフランクにダイブしてくんだ 打ち込むタイプのマイク♪)。
ただ次のさんピン組をかき集めたM-7、千葉ラッパーの詰め合わせM-10(DELIは?)、フロウ巧者を集めたM-11等辺りは不発な印象だ。
参加してるのは地力のあるラッパーも多いのだが、窮屈に各バースに押し込められて、いまいち実力が発揮できてない感じ。

よくもまーこんなハードコアな人達を集めたなと感心したM-9は、マイクパスごとにハードコア指数がどんどん加速していく。
一口にハードコアと言っても客演の三者のスタイルは全然違うので、素敵な化学反応が起こっている。
ソロアルバムの成功により一気に名を上げたANARCHYSEEDAを迎えたM-12では新旧カリスマラッパーの共演が楽しめる。
今乗りに乗ってるこの2人に全く食われないMUROとTWIGYはやっぱり凄い。
SEEDAは新しいフロウを見せそのフレッシュさを誇示する。この人はフロウの引き出しがどんだけあるんだろう。

Don't Turn Off Your Light」のセルフオマージュM-14ではスキルフルなCOMA-CHIとBESをフィーチャー。
両者はいつも通りの割とリラックスしたバースをキックし、変に力まないナチュラルな仕事ぶりが好印象だ。
K.O.D.P.所属の3名を迎えたラストM-15ではD.Lの存在感が抜群。
絶対ケーダブに向けてるだろという攻撃性全開のリリックとフロウで気を吐く。

伝説になっていたMICROPHONE PAGERを復活させ作品を発表するというのは非常にハードルの高い行為だっただろう。
MURO全編プロデュースのトラックは上質なものが多かったし、ペイジャーの2人のラップは全編キレキレでホントに良かった。
ただ大量に呼ばれた客演がこの超高いハードルをみんな越えたかと言うと当然そんなことは無く、
過半数は期待に添えたバースを用意出来ていない。
印象的だったのはベテラン勢よりも最近名を上げたラッパーの方が良い仕事をしていた事だ。

ペイジャーを復活させたのはシーンの底上げを図る目的があったのだろう。
そのため出来る限り多くのアーティストを呼んでおり、それが今作の無駄なごちゃごちゃ感とクオリティの低下を招いている。
今シーンに必要なのは馴れ合うことでは無くて、ダサいものはダサいとはっきり言い、
本当の意味で切磋琢磨する事なのではないだろうか。

Don't Turn Off Your Light / Microphone Pager

2006年11月11日 20:42





01. 病む街
02. 七転八倒
03. 東京地下道
04. GIVE YA CHILL
05. Rapperz are Danger
06. 夜中の番長と君
07. Don’t Turn off Your Light -89TEC9 MIX-
08. Don’t Turn off Your Light
09. Rapperz are Danger -mischievous mix-
10. Don’t Turn off Your Light -89TEC9 MIX INST.-



ムロツイギー、P.H.、マサオ、DJゴウの5人からなる生ける伝説、マイクロフォン・ペイジャー
彼らは日本語でラップをするという行為がまだ世間で懐疑的に見られていた時代から活動を開始し、
楽曲の圧倒的なかっこ良さでそのような風潮を覆らせていった。
そのような姿を見て自身もラッパーを目指すようになった者は数多くいるという。

今作「Don't Turn Off Your Light」はそんな彼らが唯一残したオリジナルアルバムであり、
日本語ラップの歴史に渾然と輝く問答無用のクラシックである。
今作には後にリリースされたベストアルバムに収録されている「Microphone Pager」のような
瞬発力のある楽曲はあまり収録されていない為、一聴した印象は多少地味かも知れないが、
聞き込むほどに無駄の無いその完璧な構成に驚かされる事になる。

ムロにしろツイギーにしろ、この後もラッパーとして更にスキルアップしていく訳だが、
今作の時点でそのラップのかっこ良さはずば抜けており十年以上前の作品とは思えない新鮮さに溢れている。
ヒップホップ・アーティストの多くが国内作品のベストとして挙げるのも頷ける貫禄の完成度を誇っている。



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